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カテゴリ: お知らせ

インプラント治療 〜診査・診断、一次手術〜


インプラントとは、失われた場所に埋め込む医療器具・材料のことで医科の領域だと人工関節などもインプラントと呼ばれています。

歯科の領域では”口腔”インプラントとも呼ばれていますが、一般的にインプラントと呼んでいます。

歯科では、ムシ歯や歯周病、もともと永久歯の無い先天性欠如などで失われてしまった歯、顎の骨の欠損部位に対して、本来あった歯やその他の組織の代わりとして、人工歯根(インプラント体)を埋め込むことを指します。

インプラントの歴史は古く1900年初頭から始まっていると言われています。100年以上の歴史がありますが、現在のインプラント治療は1960年代スウェーデンのBrånemark(ブローネマルク)らによって骨内に埋め込まれたインプラント体が直接骨と結合するいわゆる「オッセオイン テグレーション」することが明らかにされ、これがインプラント治療に有効であるという研究結果に基づいています。

 

「オッセオインテグレーション」とは英語で”osseointegration”で“osseo”は「骨の」+”integration”は「一体化、結合」という造語になります。

定義としては、組織学的に光学顕微鏡レベルで骨とインプラント体が直接接触している状態で、あたかもインプラント体が最初からそこにあったかのように振る舞うようにはたらく状態を指します。 

「オッセオインテグレーション」する材料はなんでもいいわけではなく、種類が決まっています。それが現在主に用いられている「チタン」と呼ばれる金属がそれを可能にしています。

チタンが用いられている理由としてオッセオインテグレーションするだけでなく、耐腐食性、加工性、生体親和性に優れているからです。

近年では、チタンの代わりにジルコニアと呼ばれるセラミックを用いる方法も出てきていますが、日本では薬事未承認のため使用は困難となっています。

インプラント治療の利点と欠点

利点 欠点
高い審美的、機能的回復が可能 外科的な侵襲が大きい
治療にあたり他の歯を削る必要がない 治療期間が長期に及ぶ
長期間、良好な結果を得られる 費用が高額になる

利点として重要なことは隣合う歯を削らず、負担をかけず治療が可能ということです。

例えば、隣り合う歯が処置のしていない歯の場合、インプラント治療以外の治療法だと、多かれ少なかれ健康な歯を削らないと治療できません。 

治療のしていない歯が1番ムシ歯にならないと言われているので、健康な歯は削らずに治療できるのがベストだと思います。

さらに、インプラント治療以外の方法だと失った歯の部分にかかるはずだった力を両隣の歯に負担してもらうことになります。そうすると、歯の寿命は短くなってしまいます。

 

欠点ではないですが、インプラント治療を行う上で知っておかなければならないこととして、イン プラントも歯周病になる可能性があるということです。「インプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎」と呼ばれています。

インプラント周囲粘膜炎とは文字通りインプラント周囲の粘膜(歯肉)が腫れて、炎症を起こしている状態です。インプラント周囲炎とは粘膜だけでなく、インプラントを支えている骨にまで炎症が広がり、骨を溶かしている状態のことを指します。

 

これらの大きな原因として、セルフケア不足とメンテナンス不足が挙げられます。

年に数回の定期メンテナンスだけでは歯周病を防ぐことは困難です。デンタルプラークは毎日作られ、歯やインプラントに付着します。そのため、毎日のセルフケアが必須になります。これを怠ってしまうとインプラントだけでなく、ご自身の歯もムシ歯や歯周病になってしまいます。

なので、セルフケアをしっかり行なっていただき、定期メンテナンスではきちんと磨けているかや、磨き方の確認、目視ではわからないことはレントゲン写真などで骨の状態を確認しインプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎になっていないかなどをチェックしていきます。

 

インプラント治療を行う上で一番大切と言っても過言ではない項目が診査・診断になります。

全身疾患の有無、手術部位の状態(歯肉の状態や、骨の量・質など)、噛み合わせ、喫煙の有無、予想される治療効果と患者様の期待度とのギャップについてなどさまざまなことを考慮し、最適な治療計画を立案していきます。

 

インプラント治療にひそむリスクとして、①手術時と②メインテンナス期間にあります。

まず、①手術時、とくにインプラント治療と深く関係していることとして上顎だと上顎洞、下顎だと下顎神経があります。

まず、上顎洞は写真のように鼻の横にある空洞です。この場所は上顎の奥歯とも距離が近く空洞までの距離が近すぎると、空洞に骨を足すような手術が必要になったり、そもそもインプラント治療を受けれない場合もあります。

 

つぎに②下顎神経です。

 下顎神経・動脈は写真のように下顎の中を通っている太い神経・血管です。この神 経・血管までの距離が近すぎると、上顎同様、骨を足す手術が必要になったり、治療できないこともあります。

 

これらのリスクを回避するためにレントゲン写真やCTによる精密な診査・診断が必要になってきます。

 

 

全身状態で注意することとして以下のような方は注意が必要です。

年齢
喫煙
循環器疾患(高血圧症、心疾患、)
脳血管障害
血液疾患
消化器疾患
肝機能障害
腎機能障害
呼吸器疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD))
糖尿病
骨粗鬆症
自己免疫疾患
精神・神経系疾患(精神疾患、認知症、パーキンソン病)
アレルギー(薬物、金属、アトピー性皮膚炎)
腫瘍

この中で意外と思われる項目として「喫煙」があります。

喫煙者は粘膜が慢性的に炎症を起こしているため、外科処置後に治癒不全が起こりやすく、インプラント体と骨の生着率が非喫煙者と比較して低いとされています。また、喫煙は歯周病を悪化させる要因であると同時にインプラントにも歯周病を起こす可能性が高く、長期残存率に影響を及ぼします。

 

 

インプラントはどれくらい持つのかという質問をよく受けます。

お口の中の環境や使い方など人それぞれなので、明確な答えはでませんが、残存率は10年間で92~95%(厚生労働省より)と言われています。

この数字が低いか高いかは価値観で変わってきますが、かなり高い数値だと思われます。

自動車を例に挙げてみます。自動車の平均寿命は10年前後と言われていますが、乗り方やメンテナンスによって短くなったり、長くなったりします。

丁寧に運転し、定期メンテナンスも通っていれば、長く乗れることは多いですし、荒い運転で、メンテナンスも通わず、調子が悪くなれば修理するような乗り方であれば寿命は短くなってしまいます。自動車だけでなく、モノであればどれも同じことは言えると思います。インプラントもそれにあたります。

治療したら終わりではなく、無茶な使い方はせず、定期メンテナンスに通っていただくことで長期間使用することができるようになります。

 

インプラント治療の流れは大きく分けて以下のように進んでいきます。

①診査・診断

②一次手術

③二次手術

④被せ物装着

一次手術とはインプラント体を骨の中に埋めていく手術です。

二次手術とはインプラント体と被せ物をつなぐための手術です。

今回は一次手術までの実際の流れを見ていただきます。 

 

骨の量、神経の位置などCTにて診査診断

↑術前の口腔内写真 

 ↑歯肉を切開し、骨にインプラント体が入る穴を形成

骨を削るので、治療中は多少振動します 

↑穴を形成するためのドリル

 

↑形成した穴にインプラント体を埋入  

↑実際のインプラント体 

 

↑縫合後

ここまでの治療時間は約1時間です。

1~2週間後に抜糸します。

手術後はお薬を処方しますが、数日腫れや痛みが出ることがあります。

↑レントゲン写真にて最終確認

以上が一次手術の流れになります。

今後は二次手術まで4~6ヶ月程度待ちます。この期間にインプラント体と骨がオッセオインテグレーションします。

その後は、二次手術で再び歯肉を切開しインプラント体とアバットメントと言われるもので歯肉の形態を作っていき、最終的に被せ物を装着していきます。

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9月休診のお知らせ📢

こんにちは

関原デンタルオフィスです。

9月5() の午前の診療を休診とさせて頂きます。

1430分より通常通り診療致します  

また、

院長先生 17(火) 午前

望月先生 21(土) 終日

今田先生 14日(土) 終日

不在とさせて頂きます。

ご不便お掛け致しますが、
ご理解の程よろしくお願い致します。

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【セルフケア】歯磨き粉やマウスウォッシュの効果や選び方(スタッフブログ)

 

こんにちは

 

関原デンタルオフィスです。

 

虫歯や歯周病、口臭を予防する上で何より重要となるのはセルフケアです。毎日のセルフケアの方法によって口腔衛生状態は大きく変わります。今回はそんなセルフケアの効果と効率を高めてくる歯磨き粉とマウスウォッシュについて、わかりやすく解説をします。

歯磨き粉(歯磨剤)の分類について

薬局やドラッグストアには、歯磨き粉をはじめとしたさまざまな製品が並んでいますが、配合されている成分によって3種類に分けられるのをご存知でしょうか?それは化粧品・医薬部外品・医薬品の3つです。いずれも一度は耳にしたことがある言葉ですが、歯磨き粉にもその分類が当てはまることに驚かれた方も多いことでしょう。

化粧品の定義と特徴

化粧品は、肌や髪を美しく整えるために使用される製品です。これには、洗顔料、化粧水、ファンデーション、リップスティックなどが含まれます。日本の薬機法では、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために使用されるもの」と定義されています。

歯磨剤に関しても、基本成分と呼ばれるものだけで構成された製品が該当します。具体的には、研磨剤・清掃助剤・発泡剤・香味剤・保存剤・着色剤などが挙げられます。これらは、あくまで口腔内の清潔を保つために使用されるものであり、医薬的な効果は持ちません。そのため、安全性が高く、毎日の口腔ケアに安心して使用できることが特徴です。

医薬部外品の定義と特徴

医薬部外品は、化粧品と医薬品の中間に位置する製品です。これには、一定の効能・効果を持つ成分が含まれており、日常生活での使用を前提としています。具体的には、薬用歯磨き、育毛剤、デオドラントなどが該当します。

薬用歯磨きは、殺菌剤・歯質強化剤・消炎剤・止血剤・象牙細管封鎖剤などが含まれており、これらには虫歯予防や歯周病予防、知覚過敏の症状を緩和する効果があります。日本の薬機法では、「軽度の薬理作用を持ち、疾病の予防や健康維持を目的とする製品」として定義されています。医薬部外品は、厚生労働省によって効能や成分が承認されているため、一定の効果が期待できることが特徴です。これにより、患者さんは信頼性の高い製品を選ぶことができます。

【薬用成分】

虫歯予防

フッ化ナトリウム(NaF)→歯質強化、再石灰化の促進

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プラーク(歯垢)除去

デキストラナーゼ(酵素)→プラークの分解

歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防

トラネキサム酸​→抗炎症作用

IPMP(イソプロピルメチルフェノール)

→殺菌作用

塩化ナトリウム

→収れん(歯肉のひきしめ)作用

当院おすすめ歯周病予防歯磨き粉🦷

歯石予防

ポリリン酸ナトリウム・ピロリン酸ナトリウム​→歯石形成の抑制

知覚過敏の改善

乳酸アルミニウム​→象牙細管の封鎖

硝酸カリウム→刺激の伝達を防ぐ

口臭の防止

LSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)→殺菌作用

医薬品の定義と特徴

医薬品は、疾病の治療や予防、診断に直接関与する成分を含む製品です。これには、処方薬や市販薬が含まれ、抗生物質、鎮痛剤、抗アレルギー薬などが該当します。日本の薬機法では、「疾病の診断、治療または予防に使用されることを目的とする製品」として定義されており、その効果が科学的に証明されています。

歯科領域では、抗菌薬や鎮痛薬、炎症を抑える薬などが使用されます。また、医薬品としての歯磨剤には、特定の治療効果を持つ成分が含まれている場合があり、歯周病の治療や予防を目的としたものが例として挙げられます。これらの医薬品は、使用に際して歯科医師や薬剤師の指導が必要となることが多く、副作用のリスクも伴います。

歯磨き粉のジェルとペーストの違い

歯磨き粉は、ジェルタイプとペーストタイプの2つに大きく分けられます。

ジェルタイプの特徴

ジェルタイプの歯磨き粉は、透明で滑らかな質感が特徴です。ジェルタイプの歯磨き粉は、特にお子さんや親御さんに人気があります。なぜなら、泡立ちが少なく、刺激が少ないため、デリケートな口腔環境にも優しいからです。フッ素が均一に口内に行き渡るため、虫歯予防に効果的です。また、ジェルは歯の表面に長時間とどまる性質があるため、フッ素の効果を最大限に発揮することができます。

ジェルタイプの効果的な使い方

ジェルタイプの歯磨き粉の効果的な使い方としては、少量を歯ブラシに取り、優しく円を描くように磨くことが推奨されます。特に、寝る前の歯磨きにはジェルタイプが適しており、フッ素が一晩中作用することで、虫歯のリスクを低減します。さらに、ジェルタイプは磨き残しが少ないため、歯周病予防にも役立ちます。

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ペーストタイプの特徴

ペーストタイプの歯磨き粉は、古くから多くの患者さんに愛用されていますが、そ理由は高い清掃力にあります。ペーストタイプの歯磨き粉の多くには研磨剤が含まれており、歯の表面に付着したプラークや汚れを効果的に除去することができます。また、ペーストタイプにはフッ素やホワイトニング成分が含まれているものも多く、美しい笑顔を保つために役立ちます。

ペースタイプの効果的な使い方

ペーストタイプの歯磨き粉の効果的な使い方としては、歯ブラシ全体に適量を乗せ、歯の表面全体を丁寧にブラッシングします。特に、噛み合わせの部分や歯と歯の間など、汚れがたまりやすい箇所を重点的に磨くことが重要です。また、ペーストタイプは泡立ちが良いため、口全体に行き渡らせることが容易です。これにより、口腔全体の清潔を保つことができます。

当院オススメペースト歯磨き粉

どっちがおすすめ?

ジェルタイプとペーストタイプのどちらを選ぶかは、患者さんの口腔状態や好みによります。それぞれの特性を理解し、正しい使い方をすることで、健康な口腔環境を維持することが可能です。

マウスウォッシュ(洗口液)について

マウスウォッシュも歯磨き粉と同様、化粧品・医薬部外品・医薬品の3つに分けられます。それぞれの使用目的や効果、使い方などは以下の通りです。

化粧品の洗口液

【使用目的】

化粧品としての洗口液は、主に口腔内の清涼感を得るために使用されます。日常の口腔ケアの一環として、口臭の予防や息をリフレッシュすることが目的です。

【効果】

このタイプの洗口液は、口腔内を一時的に爽やかにし、口臭を抑える効果があります。ただし、医学的な治療効果は期待できません。

【使い方】

適量を口に含み、30秒から1分ほど口内をゆすいだ後、吐き出します。使用頻度は、日常的なケアとして朝晩2回程度が推奨されます。

【ポイント】

化粧品の洗口液は、毎日の口腔ケアの一部として気軽に使用できます。口臭予防を目的とする場合は、定期的な歯磨きと併用すると効果的です。

医薬部外品の洗口液

【使用目的】

医薬部外品の洗口液は、口腔内の清潔を保ち、虫歯や歯周病の予防を目的としています。

【効果】

このタイプの洗口液には、主に殺菌成分が含まれており、虫歯予防や歯周病予防に効果があります。口腔内の細菌を減少させ、歯と歯茎を健康に保ちます。

【使い方】

食後や就寝前に使用するのが効果的です。適量を口に含み、30秒から1分間ゆすいだ後、吐き出します。使用後は水で口をすすぐ必要はありません。

【ポイント】

医薬部外品の洗口液は、日常の口腔ケアに取り入れることで、虫歯や歯周病のリスクを低減することができます。

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医薬品の洗口液

【使用目的】

医薬品の洗口液は、口腔内の感染症や炎症の治療、予防を目的としています。歯科医師や医師の指示のもと使用されます。

【効果】

このタイプの洗口液には、抗菌薬や抗炎症薬が含まれており、口内炎や歯周病、その他の口腔内の疾患に対する治療効果があります。強力な殺菌作用があり、短期間で症状の改善が期待できます。

【使い方】

歯科医師や医師の指示に従い、適量を口に含み、30秒から1分ほど口内をゆすいだ後、吐き出します。使用頻度や期間は、症状に応じて異なります。

【ポイント】

医薬品の洗口液は、特定の口腔疾患の治療に使用されるため、必ず歯科医師や医師の指導のもとで使用することが重要です。副作用のリスクもあるため、用法・用量を守ることが大切です。

まとめ

今回は、セルフケアで使用する歯磨き粉やマウスウォッシュについて解説しました。こうしたオーラルケアグッズは、化粧品・医薬部外品・医薬品の3つに分類することができ、それぞれで特徴や得られる効果、使用目的が異なりますので十分な注意が必要です。そんなセルフケアに用いる歯磨き粉やマウスウォッシュについてもっと知りたいという方は、いつでもお気軽に武蔵小杉の関原デンタルオフィスまでご相談ください。

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武蔵小杉の歯医者【関原デンタルオフィス】

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8月休診のお知らせ📢

こんにちは

関原デンタルオフィスです。

夏期休診のお知らせです。

お盆期間中の8月12日(月)〜8月18日(日)
まで休診となります。

8月27()の午前の診療を休診とさせて頂きます。

1430分より通常通り診療致します。

また、

飯田先生、8月2日(金) 3日(土)

今井先生、8月28(水)

は終日不在とさせて頂きます。

ご不便お掛け致しますが、
ご理解の程よろしくお願い致します。

武蔵小杉の歯医者【関原デンタルオフィス】

日付:  カテゴリ:お知らせ

今年もやります!高濃度フッ素が1,100円!!(スタッフブログ)

 

こんにちは

 

関原デンタルオフィスです。

 

 

フッ素の虫歯予防効果や推奨量、活用法を最新版で解説!!
R6.7月16日から8月31日の期間、
関原デンタルオフィスでは高濃度フッ素が通常3,300円のところ1,100円で塗布できるキャンペーンを行います!

適応条件として

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こちらをしていただけると対象となります。

 

 

虫歯予防に効果があることで有名なフッ素。
日常的にはあまり馴染みのない物質なので、その性質や安全性を良く知らないという方も多いことでしょう。
実際に虫歯予防で活用する場合もどのくらいの濃度のフッ素を使ったら良いのか迷ってしまうものです。
そんなフッ素の特徴や効果、虫歯予防で活用する場合の推奨量などをこのキャンペーンをきっかけに知っていただきたいので詳しく解説します!

フッ素はいつから始めるべき?

フッ素の取り込みが大きい生えた直後の歯に対して行うのが最も効果的とされてます。

生えて間もない、根っこが完全に出来上がっていない永久歯を幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)と呼び、幼若永久歯は、唾液などからミネラル、カルシウムなどを取り込み2〜3年かけて成熟し硬く強い歯になります。

成熟するまでの2〜3年の内に歯が虫歯になりやすい為、歯医者さんでフッ素塗布をする事で、再石灰化が促進し歯を早く成熟させる事ができます。生えたての歯はよくフッ素を取り込む為、将来虫歯になりにくい丈夫な歯を作る事ができるのです。

虫歯予防の効果

フッ素による虫歯予防効果は、次の3つに大きく分けられます。

1 歯の再石灰化作用の促進

フッ素は歯の再石灰化を促進することで虫歯予防に大きな効果を発揮します。歯の表面には常に脱灰と再石灰化のプロセスが繰り返されていますが、食事や飲み物に含まれる酸によって歯のエナメル質が溶ける脱灰が進行すると、虫歯のリスクが高まります。フッ素は脱灰されたエナメル質に作用し、再石灰化を促進します。これにより、歯の表面が強化され、虫歯の発生を防ぐことができます。

2 歯質の強化

フッ素は歯のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイトを、より耐酸性の高いフルオロアパタイトに変える働きがあります。ハイドロキシアパタイトは酸に対して比較的弱く、虫歯菌が作った酸にさらされると容易に溶けてしまいますが、フルオロアパタイトはその構造がより緻密で強固なため、酸に対する抵抗力が増します。この変化により、歯が虫歯菌の産生する酸に対してより強くなり、虫歯の進行を防ぐことができるのです。

3 虫歯菌の活動を抑制

フッ素には虫歯菌の活動を抑制する効果もあります。虫歯菌は食べ物の糖分を分解して酸を産生し、その酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯が進行します。フッ素はこの虫歯菌の代謝活動を阻害し、酸の産生を減少させます。これにより、歯の表面が酸によって溶けるのを防ぎます。フッ素はまた、虫歯菌の付着力を低下させ、歯の表面に付着しにくくする効果もあります。

フッ素低濃度(市販の歯磨き粉など)と高濃度(歯医者だけで行える)

続いては、フッ素濃度についてです。

市販の歯磨き粉に配合されるフッ素(1450ppmまで)

市販の歯磨き粉には最大1450ppmのフッ素が含まれています。フッ素濃度が低いながらも、日常的に使用することで継続的に虫歯予防効果を得ることができます。フッ素は歯のエナメル質に取り込まれ、再石灰化を促進し、酸に対する耐性を高めます。患者さんや親御さんにとって、市販の歯磨き粉は手軽に入手でき、毎日の歯磨き習慣に取り入れることで、虫歯予防の基礎を築くことができます。

歯科医院で使えるフッ素(9000ppm)

一方、歯科医院で使えるフッ素は、9000ppmという高濃度のフッ素を含んでいます。これは市販の歯磨き粉に比べて約6倍の濃度であり、特に虫歯リスクが高い患者さんやお子さんに対して効果的です。フッ素は歯科医師や歯科衛生士によって適切に使用され、短時間で高い虫歯予防効果を発揮します。高濃度のフッ素が歯のエナメル質を強化し、より強固なフルオロアパタイトに変えることで、酸に対する耐性が大幅に向上します。

使用シーンと効果の違い

市販の歯磨き粉は、日常的に使用することで徐々に効果を積み上げていくのに対し、歯科医院のフッ素は短期間で集中的に効果を発揮します。例えば、お子さんの定期検診時に高濃度フッ素を使用することで、家庭での歯磨きだけでは補いきれない部分をカバーすることができます。また、噛み合わせの不具合や矯正治療中の患者さんにとっても、フッ素は重要な虫歯予防手段となります。

フッ素てなに?危険?

 

フッ素は自然界に広く存在する元素で、虫歯予防において非常に有用です。ただし、フッ素の特徴や適切な使用について正しく理解しておかないと、お口や全身のトラブルを招くこともあるため注意が必要といえます。

フッ素の人体への影響

フッ素は適切に使用する限りにおいて、安全で効果的な虫歯予防手段です。しかし、過剰に摂取するような行為には危険が伴います。

フッ素の急性中毒

急性中毒は大量のフッ素を一度に摂取した場合に発生します。症状としては、吐き気、嘔吐、腹痛などがあり、重篤な場合は生命に関わることもあります。しかし、日常的な使用量ではそのようなリスクはほとんどありません。市販の歯磨き粉や洗口液を指示通りに使用する限り、急性中毒の心配は限りなくゼロに近いといえます。

フッ素の慢性中毒

慢性中毒は長期間にわたって高濃度のフッ素を摂取した場合に発生します。具体的には、斑状歯(はんじょうし)や骨硬化症(こつこうかしょう)などが起こる可能性がありますが、通常の歯科製品の使用では慢性中毒になることは極めて稀です。親御さんはお子さんが適切な量のフッ素を使用しているかを確認することが大切です。

歯のフッ素症

歯のフッ素症は、発育期に過剰なフッ素を摂取することで歯のエナメル質に斑点や白濁が生じる状態です。これは美容的な問題であり、健康被害ではありませんが、適量のフッ素を使用することで予防できます。

安全な虫歯予防

 

フッ素は適切に使用すれば安全であり、虫歯予防に非常に効果的です。市販の歯磨き粉や洗口液を指示通りに使用し、定期的に歯科検診を受けることで、フッ素の恩恵を最大限に享受しながら健康被害を避けることができます。

フッ素の推奨量(歯磨き粉)

フッ素入り歯磨き粉の推奨量は、年齢によって変わります。

【0~5歳】900~1,000ppm

フッ素入り歯磨き粉は、最初の歯が生えてくる生後6~8ヵ月くらいから使い始めると良いでしょう。

うがいが出来ないお子さんにはジェルタイプがおすすめです。

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*歯が生えてから2歳まで

使用量…1〜2mm(米粒程度)
濃度…900~1,000ppm

*3〜5歳

使用量…5mm(グリーンピース程度)
濃度…900〜1,000ppm

5歳までの子供に対しては少し高すぎるように感じるかもしれませんが、
保護者さんが適切な方法で使用する限り、健康被害が生じるおそれはありません。

*6歳~

使用量…2cm
濃度…1,400~1,500ppm

6歳以降は、すべての人に1,400~1,500ppm程度のフッ素歯磨き粉が推奨されます。この濃度は、市販の歯磨き粉のほぼ上限に当たります。

 1,400~1,500ppm配合ススメ歯磨材こちら

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効果的、上手くフッ素を利用するなら?

フッ素の効果を最大限に引き出すためには、効率の良い使い方を理解することが重要です。

推奨量のフッ素濃度の歯磨き粉を使う

上述したように、フッ素の推奨量は皆さんが考えている以上に高くなっています。それぞれの年代に設定された推奨量のフッ素入り歯磨き粉を使うことで、効率良く歯を強くできます。

ダブルフッ素法

歯磨き後のうがいも、フッ素の効果を最大限に活用するために重要です。歯磨きをした後に大量の水でうがいをすると、せっかくのフッ素が口腔内から流されてしまいます。歯磨き後は軽くうがいをした後にプラスでフッ素ジェルを使う事でフッ素が歯の表面に長くとどまり、より効果的な虫歯予防が期待できます。お子さんにもこの方法を習慣づけると良いでしょう。

 

歯科医院のフッ素塗布を定期的受ける

家庭での日常ケアに加えて、定期的に歯科医院でのフッ素塗布を受けることも効果的です。歯科医院で使用される高濃度フッ素は、9000ppmの高濃度フッ素を含み、市販の歯磨き粉では得られない集中効果があります。3ヶ月に1回の頻度で歯科医院を訪れ、半年の間隔でフッ素塗布を受けることで、家庭でのケアではカバーしきれない部分を補完し、総合的な虫歯予防効果を高めることができます。

まとめ

今回は、フッ素の虫歯予防効果や推奨量、毎日の口腔ケアにおける活用方法などを解説しました。フッ素入りの歯磨き粉やフッ素ジェルは、歯の再石灰化を促すだけでなく、酸に対する抵抗力を高め、虫歯菌の活動を抑える働きも期待できることから、毎日適切な方法で活用するのが望ましいです。

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武蔵小杉の歯医者【関原デンタルオフィス】

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7月休診のお知らせ📢

こんにちは

関原デンタルオフィスです。

711() 、23()の午前の診療を休診とさせて頂きます。

1430分より通常通り診療致します

また、

7月2日(火) は関原先生の診療時間が10:30から終日不在となります。

7月22日(月)は早田先生10:00〜12:00までは不在となります。

望月先生 20日(土)

飯田先生 30日(火) 31日(水)

は終日不在とさせて頂きます。

ご不便お掛け致しますが、
ご理解の程よろしくお願い致します。

武蔵小杉の歯医者【関原デンタルオフィス】

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何とかして歯を残したい!〜クラウンレングスニング(歯冠長延長術)とは?〜 (記事内に出血や外科処置を含む写真があります、苦手な方は読まないでください)(症例集)

当記事を読んで頂きありがとうございます。関原デンタルオフィス歯科医師の早田といいます。今回のブログではすごく大きな虫歯をもつ歯を抜かずに保存する方法を紹介します。

 

当院では歯の神経の保存、歯を抜かない保存治療を最優先に考えて治療しています。

なぜかというと予後が良くない歯を治療して保存した場合と、

インプラントした場合の比較では10年生存率に差がないという論文があるためです。

まずは10年でも自分の歯で噛める様にして、それでも保存困難になった時にインプラント治療を選択すれば良いのではないでしょうか?

 

では、抜歯宣告される歯とはどんな状態の歯でしょうか?

 

1 歯が割れている

2 歯周病が進行して歯の揺れがひどい

3 被せ物をするために残っている歯の長さが足りない

4 周りの歯に影響を及ぼすほど大きな病巣がある

5 残すことで将来的に義歯やインプラント、ブリッジ治療に困難が予測される

6 症状が改善されず十分に噛むことができない

 

これらの理由でも十分な診断を行い、外科処置や矯正処置を行うことで保存ができることがあります。

 

今回の投稿では

③被せ物をするために残っている歯の長さが足りない→クラウンレングスニング(歯冠長延長術)という歯の長さを伸ばす処置を紹介していきます。

(症例写真の使用は患者さんから許可を得ています)

 

 

症例1

主訴:歯に穴が空いて噛めない、強い痛みが続いている

術前治療

歯の内部は大きく虫歯に食われていて、歯の根まで虫歯が進行しています

治療を開始します

歯に被さっている歯茎を電気メスで除去し、歯の内部の虫歯を全て除去します

(虫歯を教えてくれる青い薬で染色を繰り返しながら、青染部のみ選択的に削ります)

 

虫歯を除去したところ健康な歯はほとんど残りません。この時点で患者さんに対し、このまま通常の治療をしても何年ももたないことを伝えました。患者さんはしっかり歯を残す希望をされたので、クラウンレングスニングを予定した処置をしていきます。

まず神経の通り道の治療をしっかり行うために、止血処置をして隔壁(虫歯でなくなった歯質の代わりに内部に細菌感染しないように樹脂で作る壁)をつくります。

そして根管治療を行いますが、ラバーダム(ゴムのマスク)をすることで歯の内部に感染しないように行い、根管充填までしました。

次に歯茎を下げるためにクラウンレングスニングを行います

切った歯茎が上がってこないように、下に押さえつける縫合を行います

術後歯茎を切開した部分のヒリヒリ感、鈍痛が出ますが痛み止めで抑制できます。

一週間ほどは愛護的に触らず過ごしてもらい、切開による炎症所見が消えたら歯磨きをしっかり開始してもらいます。

 

術後3ヶ月 とにかくよく磨いてもらいます

 

この時点で歯根が見えていることがポイントです。

なぜ歯根が見えることが大切なのかというと

1 被せ物が取れにくくなる

2 将来的に歯が折れにくくなる

3 適合が良くなるので長期的に細菌侵入を抑制できる

というメリットがあるためです。

仮歯で経過を見た後に経過良好なためセラミックの被せ物を装着しました

このような虫歯をつくってしまった原因から考えても歯磨き方法や、モチベーションを維持するために今後もしっかりメンテナンスに来ることが非常に大切です。 

 

 

症例2

主訴:古い銀歯をやりかえたい

症状は特にないが根管治療のやり直しのために被せ物を除去したところ深い虫歯があったケース

術前

被せ物を除去すると

汚染が広がり、歯の手前、奥側に深い虫歯できていました。

 

すでに神経がないため症状はなく、気づかないうちに深い虫歯になりやすいです。

また歯科医院でも被せ物の内部まではレントゲンでもわからないため発見が遅れます。

全ての虫歯を除去していきます、歯茎の深部まで虫歯が進行していました。

 

先ほどの症例と同じように止血処置して、隔壁を作り、根管治療を開始します

根管治療後にクラウンレングスニングを行います

術後1ヶ月 日常では仮歯が入っていますが、この状態で丁寧に歯磨きしてもらうことが重要です。まだ歯肉は陥没していますが歯肉の形態がどんどん変化して平坦になっていきます。

術後3ヶ月

歯茎も平坦に引き締まり、経過良好なため被せ物を装着しました。

被せ物の奥側が歯根をしっかり掴んでいることがわかります。

上の奥歯の裏側は磨くのが難しいため、メンテナンスで歯磨き方法を確認していきます。

 

 

 

症例3

主訴:左下の奥歯が痛い

 症例1と同じく歯肉内部深いところまで虫歯が進行していました。

術前

先ほどの症例同様に精密な根管治療を行います。

クラウンレングスニングにより歯肉を下げます。

白い部分が土台となるファイバーコア、下の黄色い部分が歯根になります。

きれいなピンク色の歯茎が出来上がり、歯茎に炎症もありません。

経過良好なためセラミックの被せ物を装着しました。

 

まとめ

クラウンレングスニングは外科処置ですが処置後強い痛みはあまり出ないことが多く、

歯茎が引き締まるまでの管理をしっかりすれば成功しやすい処置と言えます。

 

しかし症例を見てわかると思いますが、全て奥歯の処置だったことからも奥歯は磨き残しが多く正しい自己管理と歯科医院での定期的なチェックが非常に重要です。

 

条件が悪いほど、単純な処置では解決しません。

抜歯すれば簡単ですが、保存して自分の歯で噛むためには様々な処置が必要になり、時間も費用もかかります。

次回も「治療困難な歯を保存する治療」を紹介したいと思います。

長文お付き合いありがとうございました。

 

気になる方はこちらからご予約お願い致します。

 

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6月休診のお知らせ📢

こんにちは

関原デンタルオフィスです。

613() 、25()の午前の診療を休診とさせて頂きます。

1430分より通常通り診療致します

6月25日(火) は飯田先生の診療時間が15:00からとなります。

また、

院長先生 11日(火) 午後

望月先生 20日(土) 終日

不在とさせて頂きます。

6月より今井先生が【水曜・金曜・第3月曜】

に出勤致します。

尚、今井先生の予約の最終受付は17:00となります。

それに伴い金曜日に出勤していた増田先生は

6月よりすべての曜日が武蔵小杉グレイス歯科での勤務となります。

ご不便お掛け致しますが、
ご理解の程よろしくお願い致します。

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エナメル質形成不全について(スタッフブログ)

 

こんにちは

関原デンタルオフィスです

エナメル質形成不全について

歯が生えた時から色や形がおかしい。周りの子とは歯の見た目が違うため不安に感じている。その原因は「エナメル質形成不全」かもしれません。日常ではあまり耳にすることがない名前なので、どのような病気なのかよく知らない方が大半を占めるかと思います。今回はそんな歯の色や形に異常が見られるエナメル質形成不全の特徴や原因、対処法などをわかりやすく解説をします。

エナメル質形成不全(MIH)とは?

エナメル質形成不全(MIH)とは、その名の通りエナメル質が正常に形成されない病気です。1本以上の第一大臼歯と切歯に限局して発症するエナメル質形成不全で重症な場合は象牙質に及ぶこともあります。歯に白い斑点が見られたり、歯の頭の部分である歯冠がデコボコの形をしていたりするなど、健全な歯とは明らかな違いが見られます。

エナメル質形成不全の症状

・白いまだら模様

・歯の変色(茶色や黄色)

・歯の環状のくぼみ

・不規則な歯冠形態

・歯質が脆い

エナメル質形成不全は特殊な病気のように感じるかもしれませんが、日本人全体としては10%程度の割合で発症すると考えられています。これは前歯から奥歯まで、また軽度から重度までの症例を含めた割合です。ケースによっては症状が軽く、目立ちにくい部位に現れることも少なくないので、エナメル質形成不全に気づかない方もいらっしゃいます。

エナメル質形成の要因は?

エナメル質形成不全を引き起こす要因は、全身的と局所的に2つに大きく分けられます。

全身的要因

・栄養障害

・内分泌異常

・代謝異常

・ホルモン異常

・急性熱性疾患

・先天性梅毒

こうした病気や異常が胎児期に起こると、エナメル質形成不全のリスクが高まります。つまり、お母さんの妊娠中の身体の異常がお腹の赤ちゃんの歯の形成を妨げるのです。もちろん、それがすべてではなく、生まれてきた赤ちゃんに同様の病気や異常が生じることでも、エナメル質形成不全になる場合があります。というのも、歯の形成や発育は、生まれる前から始まって、生まれた後もしばらく続いていくからです。

全身的要因は複数の歯に症状が見られる?

エナメル質形成不全の症状は、特定の歯だけに見られる場合と、複数の歯に見られる場合とがあります。複数の歯にまたがって同様の症状が認められた場合は、ほとんどのケースで全身的要因が関係しています。それが左右対称に見られたら、ほぼ間違いないでしょう。

局所的要因

・乳歯の虫歯の重症化

・外傷

乳歯の虫歯を放置して重症化させると、すぐ下に控えている永久歯に悪影響が及びます。それは乳歯の根尖部から漏れ出た細菌などが永久歯を汚染するためであり、エナメル質の形成を阻害することになります。これを専門的には「ターナー歯」と呼んでいます。

外傷によって強い衝撃を受けた場合もケースによっては特定の歯にエナメル質形成不全が見られることがあります。ちなみに、エナメル質形成不全は、歯が生えてこなければ発症の有無を確認することはできません。

局所的要因は特定の歯に症状が見られる

局所的要因が関係したエナメル質形成不全は、当然ですが虫歯や外傷の影響を受けた歯だけ症状が見られます。ほとんどのケースでは、1~2本の歯だけにエナメル質の異常が認められるため、全身的要因とは区別しやすくなっています。ただ、一般の人がエナメル質形成不全と虫歯を区別することは難しいので、生えてきた歯に変色や形の異常が見られた場合は、まず歯医者さんに診てもらうことをおすすめします。それが仮に虫歯であった場合は、放置することで症状がどんどん進行していってしまうからです。

エナメル質形成不全はなぜ注意が必要なのか?

エナメル質形成不全は、虫歯のような感染症でもなければ、進行性の病気でもありません。そのため今すぐにでも治療を受けなければならないわけではないのですが、注意すべき点がいくつかあります。

【注意点1】審美障害

エナメル質形成不全では、白いまだら模様やデコボコの歯冠、黄色や茶色の変色などが認められます。こうした症状が前歯に現れている場合は、口元の審美性を大きく低下させます。エナメル質形成不全を知らない人にとっては、「歯磨きをきちんとしていない」とか「虫歯なのに治療していない」といった印象を与えるかもしれません。実際、前歯のエナメル質形成不全が口元のコンプレックスとなっている人は少なくないのです。

【注意点2】エナメル質が脆弱

エナメル質形成不全の歯は、エナメル質が全体的に脆くなっています。成熟度が低く、外からの刺激を受けやすくなっている点に注意が必要です。それは健全な歯よりも虫歯リスクが高いことを意味します。また、外から衝撃が加わることで欠けやすくなっている点にも注意しなければなりません。

このように、エナメル質形成不全は健全な歯にはない問題を抱えているため、気になる症状がある場合は、積極的に歯科を受診することをおすすめします。

エナメル質形成不全の対処法

エナメル質形成不全の症状は、歯科治療で改善できることが多いです。具体的には、次の治療法が挙げられます。

【コンポジットレジン修復】

歯に直接コンポジットレジンを盛り付けて、形を整えた上で光を照射して固める治療法です。エナメル質形成不全でデコボコになった歯に有効な治療法といえるでしょう。歯をほとんど削らず、型取りも不要なので、その日に治療を終えることも可能です。

 

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コンポジットレジンとはなにか❓

 

 

【クラウン・インレー】

重症度の高いエナメル質形成不全には、クラウン(被せ物)やインレー(詰め物)が有効です。被せ物を装着する治療法で、歯冠部がデコボコになっているケースでもきれいに治せます。ただし、その他の治療法と比べて歯を削る量が多かったり、神経を取り除く必要性が出てきたりするなど、いくつかのデメリットを伴う点にはご注意ください。

まとめ

今回は、エナメル質形成不全について、武蔵小杉の関原デンタルオフィスが解説しました。エナメル質形成不全は、妊娠期における全身的障害や生まれた後の外傷や乳歯の虫歯が要因となって引き起こされる病気です。虫歯ではないため、放置していても進行することはないのですが、審美障害に悩まされるリスクはあります。また、健全な歯よりもエナメル質が脆くなっていることから、ケースによっては歯科治療で改善した方が良い場合もあります。そんなエナメル質形成不全の症状にお悩みの方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。患者さんそれぞれの症状に適した治療法を提案いたします。

 

 

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歯科と全身疾患について(スタッフブログ)

こんにちは

関原デンタルオフィスです。

口腔は全身の入り口です。酸素や栄養素などは、基本的に口腔を介して体内へと取り入れられるからです。そのためお口の状態は、全身の健康にまで大きな栄養を及ぼすこともあります。時には口腔疾患が命にかかわるような全身の病気を誘発することもあるため、お口の健康状態には十分配慮する必要があります。今回はそんな口腔と全身疾患の関連について、詳しく解説をします。

お口と全身疾患に関連がある理由

 

冒頭でも述べたように、口腔は全身の入り口なので、良いものも悪いものもたくさん通過していきます。そこでまず思い浮かべていただきたいのが風邪やインフルエンザといった感染症です。私たちが日常的に感染し、発症する病気は、口腔を介して病原体が侵入します。それはすべての人に共通していることなのですが、口腔の状態によってリスクが大きく変わる点に注意しなければなりません。

感染症にかかりやすい人の口腔の特徴

 

細菌やウイルスによる感染症は、次のような口腔環境の人でリスクが高くなりやすいです。

常に口が開いている(口呼吸)

歯垢や歯石がたまっている(口腔衛生状態が不良)

歯並びが悪い(歯列不正)

唾液の分泌量が少ない(ドライマウス)

歯周病にかかっている

口腔にこうした症状が見られる場合は、感染症のリスクが高まっているといえます。それでは一つひとつ、その理由を考えていきましょう。

常に口が開いている

歯並びや噛み合わせの異常、あるいは習慣の問題で常に口が開いていると、口腔内が乾燥します。その結果、細菌の活動が活発になるだけでなく、口呼吸で直接、細菌やウイルスが気管へと送り込まれるため、感染症にかかりやすくなるのです。

歯垢や歯石がたまっている

歯垢は、細菌の塊です。歯石は、歯垢が石灰化を受けて石のように硬くなった物質で、細菌の住処となります。これらがたまっていると、口腔環境も不潔になります。

歯並びが悪い

悪い歯並びはブラッシングがしにくく、汚れがたまりやすいです。食べかすも残るため、細菌の繁殖が促されます。

唾液の分泌量が少ない

唾液には、殺菌作用・抗菌作用・自浄作用が期待できますが、その量が減れば自ずと細菌も元気になります。

歯周病にかかっている

後段でも詳しく解説しますが、歯周病はさまざまな全身疾患を誘発する極めて危険な病気です。歯周病を単に“歯茎が腫れる病気”と考えている方は、今日からその認識を改めた方が良いといます。

お口と関連の深い全身の病気

 

お口の健康状態が悪いと、次のような全身の病気が誘発されることがあります。

呼吸器疾患

循環器疾患

代謝性疾患

早産や低体重児出産

免疫疾患

精神疾患

これらは一見すると口腔とは何ら関係のない病気のように見えますが、実際はそうではありません。とくに歯周病は上述した全身疾患の多くを誘発するリスクがあるため、最も注意すべき口腔疾患のひとつといえます。

歯周病が全身疾患を誘発するメカニズム

 

歯周病によって全身の病気が誘発されるメカニズムは次の通りです。

◎呼吸器疾患

歯垢や歯石が堆積し、深い歯周ポケットが形成されると、歯周病菌が異常繁殖します。その一部を唾液や食物とともに誤嚥すると、気管で感染症が生じます。その結果、発症するのが誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。

◎循環器疾患

歯周病との関連のある循環器疾患には、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などが挙げられます。これらは歯周病菌が血管内へと入り、血管壁を硬くしたり、狭くしたりすることで誘発されます。細くなった血管が詰まる心筋梗塞や脳梗塞は、歯周病が原因で形成されたプラークが血栓となることが直接的な原因となります。

◎代謝性疾患

代謝性疾患の代名詞ともいえる糖尿病も歯周病が血管に入り、サイトカインと呼ばれる炎症性物質の濃度を高めることで誘発されます。サイトカインは、血糖値を下げる唯一のホルモン「インスリン」の効果を減弱することがわかっています。

↓↓こちら↓↓

歯周病と糖尿病関係とは

 

◎早産や低体重児出産

血流に乗った歯周病菌が妊娠中の女性の子宮へと到達すると、そこで炎症反応を引き起こします。そうすると出産に関わる筋肉が異常な反応を示して、早産・低体重児出産を誘発することがあるのです。

歯科偶発症について

 

お口と全身疾患との関連でもうひとつお伝えしておきたいのが「歯科偶発症」です。実は、歯科治療でも偶発的に全身病気を誘発したり、悪化させたりすることがあるのです。具体的には、次のような全身の病気や異常が挙げられます。

術中異常高血圧

不整脈

急性心不全

脳卒中

喘息発作

低血糖性昏睡

糖尿病性昏睡

血管迷走神経反射

過換気症候群

アナフィラキシーショック

局所麻酔中毒

仰臥位低血圧症候群

もしかしたら皆さんが初めて耳にするような病気・異常もあるかもしれません。また、脳卒中や急性心不全といった深刻な症状も含まれることから、歯科治療への恐怖心が大きくなってしまうかもしれませんが、その点はご安心ください。歯科医師は、こうした歯科偶発症のリスクを正しく理解した上で、細心の注意を払いながら診療を進めていきます。仮に偶発的にトラブルが生じたとしても、適切に対処できるよう訓練されているのが歯科医師を始めとした歯科医院のスタッフなのです。

歯科偶発症への対処法

 

ここでは、代表的な歯科偶発症への対処法をかんたんにご説明します。

◎血管迷走神経反射

血管迷走神経反射は、歯科治療への恐怖心や不安感が原因となり、吐き気・血圧低下・徐脈・めまいなどが生じる偶発症です。これは誰にでも起こり得る症状ですが、発症した後に水平位にして安静にしていると、自然に回復していきます。症状が強い場合は、酸素投与やアトロピン(副交感神経遮断薬)やエフェドリン(昇圧薬)の投与も検討します。そんな血管迷走神経反射は、患者さんの精神的ストレスを軽減し、局所麻酔を十分に効かせることで予防できます。

◎アナフィラキシーショック

特定のアレルギー物質が体内に入った際に生じる症状で、歯科治療では局所麻酔や抗菌薬、消毒薬などが原因となりやすいです。アナフィラキシーショックでは血圧低下や頻脈、喘息のような症状が見られ、アドレナリンを注射し、酸素を投与することで症状が改善されます。

◎局所麻酔中毒

その名の通り局所麻酔によって引き起こされる急性中毒です。初期症状としては、血圧の上昇や多弁、興奮が見られ、時間の経過とともに四肢の痙攣や意識障害が現れます。局所麻酔中毒は、麻酔薬の血中濃度によっても変化するため、歯科医師が麻酔処置を適切に行うことで症状の悪化を防げます。

過去に局所麻酔中毒を起こした経験がある場合は、必ず治療前にそのことを伝えるようにしましょう。そうすることで局所麻酔中毒は予防できます。局所麻酔中毒は、初期の段階では経過を見て、中期症状が現れた場合は、抗痙攣薬を投与し、末期症状ではBLS(1次救命処置)などが取られます。

まとめ

今回は、歯科と全身疾患との関りについて、武蔵小杉の関原デンタルオフィスが解説しました。お口は全身の入り口であるため、そこに異常があるとさまざまな感染症や全身疾患を誘発することになります。また、お口の病気を治す歯科治療でも、患者さんの体質や心身の状態によっては、深刻な偶発症を引き起こすリスクがあることを正しく理解しておいてください。もちろん、私たち歯科のスタッフはそうした偶発症に対処できる技術と知識を持ち合わせていますが、患者さんもそのリスクを知っておくことで、不要なトラブルを防ぎやすくなることは間違いありません。

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