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歯周病治療のSRPについて(スタッフブログ)

 

こんにちは

 

関原デンタルオフィスです。

 

歯周病の治療では、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)やデブライドメントという処置を実施します。日常的にはあまり耳にしない言葉なので、どういったものなのかイメージしにくいことかと思いますが、歯周病の症状を改善する上では必須ともいえる処置であることから、その手順や目的、注意点などを正しく理解しておくことが大切です。ここではそんな歯周病治療のSRPについて、デブライドメントとの違いも含め、わかりやすく解説をします。

 

SRP治療の流れ

SRPは、次のような流れで進行します。

STEP1:口腔内の観察・診査

SRPを行う場合は、最初に口腔内の観察と診査を実施します。具体的には、歯石の沈着状態、歯茎の炎症や形態、歯周ポケットの深さ、歯根面の状態などを診査します。その上で、最適といえる施術方法を検討します。

STEP2:スケーリング

歯冠部に付着している歯石をスケーラーで削り取ります。スケーラーには、手用と超音波の2種類があり、それぞれ特徴が異なるため、歯や歯茎の形態、歯石の付着状況などによって使い分けながら歯石を取り除きます。

STEP3:局所麻酔+ルートプレーニング

深い歯周ポケットが形成されていて、その中に歯垢や歯石が認められる場合は、ルートプレーニングを行います。ルートプレーニングでは、施術に出血や痛み伴うことから、歯茎に注射を打つ局所麻酔を行います。歯茎の感覚が麻痺したら、歯周ポケット内にスケーラーを挿入して、汚染物質を取り除いていきます。最終的には、歯根面をスケーラーで滑沢にします。

STEP4:洗浄+止血

ルートプレーニングが終わったら、歯周ポケット内を生理食塩水などで洗浄し、出血が認められる場合は止血を行います。

SRP(スケーリング)とルートプレーニング、デブライドメントの違い

まずは、歯周病で行われる処置の違いについてかんたんにご説明します。

スケーリング】歯冠部の歯石除去

私たちの歯は、頭の部分である歯冠(しかん)と根っこの部分である歯根(しこん)の2つに分けられます。スケーリングでは、その歯冠部に付着した歯石をスケーラーで取り除きます。歯冠は口腔内に露出している部分なので、歯茎に大きな刺激が加わる恐れが少ないことから、麻酔処置を施すことはほとんどありません。

ルートプレーニング】歯根部の歯石除去

ルートプレーニングは、歯根(ルート)部に付着した歯石を取り除く処置です。スケーラーを歯周ポケット深くに挿入するため、歯茎に強い刺激が加わり、出血や痛みを伴う恐れがあります。ですから、ルートプレーニングを行う際には、原則として局所麻酔を施します。ルートプレーニング(根面の滑沢化)では、その名の通りスケーラーを使って歯根面の歯垢や歯石、不良肉芽組織、汚染されたセメント質などを削り取って滑らかにします。

デブライドメント】歯周ポケット内の汚染物質の除去

デブライドメントは、傷口を清浄化して細菌感染巣を取り除く処置で、外科の分野で広く行われています。歯科においては、歯周ポケット内の汚染物質を取り除く処置を指します。デブライドメントでも歯垢や歯石、不良肉芽組織などを除去するため、一見するとルートプレーニングとまったく同じ処置に思えますが、厳密には異なります。なぜならデブライドメントでは汚染されたセメント質を除去して、根面を滑沢にするという処置が含まれていないからです。

SRPルートプレーニング、デブライドメントの目的

歯周病治療で行われる3つの処置には、それぞれ異なる目的があります。

スケーリング】歯周病の症状改善

歯冠部の歯石を取り除くことで、歯周病菌の繁殖を抑えることができます。深い歯周ポケットが形成されていない軽度の歯周病であれば、スケーリングを行うことで歯茎の腫れや出血といった症状の改善が見込めます。そのため歯周病の基本治療では、必ずスケーリングが実施されます。

ルートプレーニング】根面の滑沢化

深い歯周ポケットが形成された中等度のから重度の歯周病では、歯根面の歯垢や歯石を取り除かなければ、症状の改善が見込めません。とくに歯根部に分布しているセメント質は、歯を構成する重要な組織のひとつではあるのですが、細菌によって汚染された場合は、物理的に取り除く必要性が出てきます。ルートプレーニングは、そうした汚染されたセメント質まで削り取ることで、歯周ポケット内の感染源をゼロにできるのです。その結果、歯周ポケットが浅くなり、汚れがたまりにくい環境を作ることが可能となります。

デブライドメント】歯周ポケット内の清掃

歯周病治療におけるデブライドメントの目的は、歯周ポケット内の汚染物質を一掃することです。上段でも述べましたが、歯周ポケット内の歯垢、歯石、不良肉芽組織を掻把するような形で清掃し、細菌感染巣を取り除きます。

SRPの注意点などについて

SRPは、歯周病における基本的な治療ではありますが、次に挙げるような点に注意しなければなりません。

注意点1:麻酔が切れた後に痛みが出る

ルートプレーニングでは、歯茎に大きな刺激が加わっていることから、麻酔が切れた後に痛みや不快症状が生じます。痛みの度合いはケースによって異なりますが、施術から2~3日程度は症状が続きます。

注意点2:冷たいものがキーンとしみる

SRP後には、冷たいものがキーンとしみえる知覚過敏の症状が起こりやすくなっています。とくに歯茎の退縮で歯根面が露出しているケースでは、その症状が強く現れるため、十分な注意が必要です。そうした知覚過敏の症状は、施術から時間が経過するにつれて、徐々に軽くなっていきます。

注意点3:麻酔が切れるまでは食事を控える

SRPで局所麻酔を施した場合は、その効果が切れるまで食事を控えるようにしてください。お口の感覚が麻痺した状態で食事をすると、舌や頬の内側の粘膜を誤って噛んでしまうことがあります。また、熱刺激に対して鈍感となるため、熱い食べ物や飲み物で口腔粘膜をやけどするリスクも生じます。

注意点4:歯茎の形態の変化

歯面や歯周ポケット内に歯垢・歯石がたまっている状態では、細菌の活動が活発化しているため、歯茎も赤く腫れ上がっています。SRPによって感染源が取り除かれると、炎症反応が弱くなって歯茎が元の状態へと戻り、外観にも変化が現れることでしょう。そうなると「歯茎が下がる」「歯と歯の間の隙間が広がる」といった症状が見られることから、SRPをする前よりも状態が悪くなったと感じてしまうかもしれませんが、歯周組織が本来の状態に戻っただけなのでご安心ください。

注意点5:重症例では十分な効果が得られないことがある

歯と歯茎の境目に生じる「歯周ポケット」は、正常な人でも1~2mm程度は存在しています。それが4mm以上になると歯周炎と診断されるのですが、進行する10mm以上になることもあります。そうした深い歯周ポケットが形成された重症例では、通常のSRPを行っても病変を取り切ることが困難であるため、「フラップ手術」という外科的な治療を提案されることもあります。

まとめ

このように、歯周病治療で行うスケーリングとルートプレーニング、デブライドメントは、それぞれに異なる目的があります。適応されるケースにも違いがあるため、その点は正しく理解しておくことが大切です。また、本文でも取り上げたように、SRPを行った後にはいくつか注意すべき症状が見られます。それを知らずにSRPを受けると、治療によって歯や歯茎の状態がもっと悪くなったと誤解してしまいますので十分な注意が必要です。

武蔵小杉の歯医者・歯科【関原デンタルオフィス】武蔵小杉駅5分

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