こんにちは
関原デンタルオフィスです。
フッ素の虫歯予防効果や推奨量、活用法を最新版で解説!!
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虫歯予防に効果があることで有名なフッ素。
日常的にはあまり馴染みのない物質なので、その性質や安全性を良く知らないという方も多いことでしょう。
実際に虫歯予防で活用する場合もどのくらいの濃度のフッ素を使ったら良いのか迷ってしまうものです。
そんなフッ素の特徴や効果、虫歯予防で活用する場合の推奨量などをこのキャンペーンをきっかけに知っていただきたいので詳しく解説します!
フッ素はいつから始めるべき?
フッ素の取り込みが大きい生えた直後の歯に対して行うのが最も効果的とされてます。
生えて間もない、根っこが完全に出来上がっていない永久歯を幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)と呼び、幼若永久歯は、唾液などからミネラル、カルシウムなどを取り込み2〜3年かけて成熟し硬く強い歯になります。
成熟するまでの2〜3年の内に歯が虫歯になりやすい為、歯医者さんでフッ素塗布をする事で、再石灰化が促進し歯を早く成熟させる事ができます。生えたての歯はよくフッ素を取り込む為、将来虫歯になりにくい丈夫な歯を作る事ができるのです。
虫歯予防の効果
フッ素による虫歯予防効果は、次の3つに大きく分けられます。
1 歯の再石灰化作用の促進
フッ素は歯の再石灰化を促進することで虫歯予防に大きな効果を発揮します。歯の表面には常に脱灰と再石灰化のプロセスが繰り返されていますが、食事や飲み物に含まれる酸によって歯のエナメル質が溶ける脱灰が進行すると、虫歯のリスクが高まります。フッ素は脱灰されたエナメル質に作用し、再石灰化を促進します。これにより、歯の表面が強化され、虫歯の発生を防ぐことができます。
2 歯質の強化
フッ素は歯のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイトを、より耐酸性の高いフルオロアパタイトに変える働きがあります。ハイドロキシアパタイトは酸に対して比較的弱く、虫歯菌が作った酸にさらされると容易に溶けてしまいますが、フルオロアパタイトはその構造がより緻密で強固なため、酸に対する抵抗力が増します。この変化により、歯が虫歯菌の産生する酸に対してより強くなり、虫歯の進行を防ぐことができるのです。
3 虫歯菌の活動を抑制
フッ素には虫歯菌の活動を抑制する効果もあります。虫歯菌は食べ物の糖分を分解して酸を産生し、その酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯が進行します。フッ素はこの虫歯菌の代謝活動を阻害し、酸の産生を減少させます。これにより、歯の表面が酸によって溶けるのを防ぎます。フッ素はまた、虫歯菌の付着力を低下させ、歯の表面に付着しにくくする効果もあります。
フッ素低濃度(市販の歯磨き粉など)と高濃度(歯医者だけで行える)
続いては、フッ素濃度についてです。
◎市販の歯磨き粉に配合されるフッ素(1450ppmまで)
市販の歯磨き粉には最大1450ppmのフッ素が含まれています。フッ素濃度が低いながらも、日常的に使用することで継続的に虫歯予防効果を得ることができます。フッ素は歯のエナメル質に取り込まれ、再石灰化を促進し、酸に対する耐性を高めます。患者さんや親御さんにとって、市販の歯磨き粉は手軽に入手でき、毎日の歯磨き習慣に取り入れることで、虫歯予防の基礎を築くことができます。
◎歯科医院で使えるフッ素(9000ppm)
一方、歯科医院で使えるフッ素は、9000ppmという高濃度のフッ素を含んでいます。これは市販の歯磨き粉に比べて約6倍の濃度であり、特に虫歯リスクが高い患者さんやお子さんに対して効果的です。フッ素は歯科医師や歯科衛生士によって適切に使用され、短時間で高い虫歯予防効果を発揮します。高濃度のフッ素が歯のエナメル質を強化し、より強固なフルオロアパタイトに変えることで、酸に対する耐性が大幅に向上します。
◎使用シーンと効果の違い
市販の歯磨き粉は、日常的に使用することで徐々に効果を積み上げていくのに対し、歯科医院のフッ素は短期間で集中的に効果を発揮します。例えば、お子さんの定期検診時に高濃度フッ素を使用することで、家庭での歯磨きだけでは補いきれない部分をカバーすることができます。また、噛み合わせの不具合や矯正治療中の患者さんにとっても、フッ素は重要な虫歯予防手段となります。
フッ素てなに?危険?
フッ素は自然界に広く存在する元素で、虫歯予防において非常に有用です。ただし、フッ素の特徴や適切な使用について正しく理解しておかないと、お口や全身のトラブルを招くこともあるため注意が必要といえます。
◎フッ素の人体への影響
フッ素は適切に使用する限りにおいて、安全で効果的な虫歯予防手段です。しかし、過剰に摂取するような行為には危険が伴います。
・フッ素の急性中毒
急性中毒は大量のフッ素を一度に摂取した場合に発生します。症状としては、吐き気、嘔吐、腹痛などがあり、重篤な場合は生命に関わることもあります。しかし、日常的な使用量ではそのようなリスクはほとんどありません。市販の歯磨き粉や洗口液を指示通りに使用する限り、急性中毒の心配は限りなくゼロに近いといえます。
・フッ素の慢性中毒
慢性中毒は長期間にわたって高濃度のフッ素を摂取した場合に発生します。具体的には、斑状歯(はんじょうし)や骨硬化症(こつこうかしょう)などが起こる可能性がありますが、通常の歯科製品の使用では慢性中毒になることは極めて稀です。親御さんはお子さんが適切な量のフッ素を使用しているかを確認することが大切です。
・歯のフッ素症
歯のフッ素症は、発育期に過剰なフッ素を摂取することで歯のエナメル質に斑点や白濁が生じる状態です。これは美容的な問題であり、健康被害ではありませんが、適量のフッ素を使用することで予防できます。
安全な虫歯予防
フッ素は適切に使用すれば安全であり、虫歯予防に非常に効果的です。市販の歯磨き粉や洗口液を指示通りに使用し、定期的に歯科検診を受けることで、フッ素の恩恵を最大限に享受しながら健康被害を避けることができます。
フッ素の推奨量(歯磨き粉)
フッ素入り歯磨き粉の推奨量は、年齢によって変わります。
【0~5歳】900~1,000ppm
フッ素入り歯磨き粉は、最初の歯が生えてくる生後6~8ヵ月くらいから使い始めると良いでしょう。
うがいが出来ないお子さんにはジェルタイプがおすすめです。
*歯が生えてから2歳まで
使用量…1〜2mm(米粒程度)
濃度…900~1,000ppm
*3〜5歳
使用量…5mm(グリーンピース程度)
濃度…900〜1,000ppm
5歳までの子供に対しては少し高すぎるように感じるかもしれませんが、
保護者さんが適切な方法で使用する限り、健康被害が生じるおそれはありません。
*6歳~
使用量…2cm
濃度…1,400~1,500ppm
6歳以降は、すべての人に1,400~1,500ppm程度のフッ素歯磨き粉が推奨されます。この濃度は、市販の歯磨き粉のほぼ上限に当たります。
効果的、上手くフッ素を利用するなら?
フッ素の効果を最大限に引き出すためには、効率の良い使い方を理解することが重要です。
◎推奨量のフッ素濃度の歯磨き粉を使う
上述したように、フッ素の推奨量は皆さんが考えている以上に高くなっています。それぞれの年代に設定された推奨量のフッ素入り歯磨き粉を使うことで、効率良く歯を強くできます。
◎ダブルフッ素法
歯磨き後のうがいも、フッ素の効果を最大限に活用するために重要です。歯磨きをした後に大量の水でうがいをすると、せっかくのフッ素が口腔内から流されてしまいます。歯磨き後は軽くうがいをした後にプラスでフッ素ジェルを使う事でフッ素が歯の表面に長くとどまり、より効果的な虫歯予防が期待できます。お子さんにもこの方法を習慣づけると良いでしょう。
◎歯科医院のフッ素塗布を定期的受ける
家庭での日常ケアに加えて、定期的に歯科医院でのフッ素塗布を受けることも効果的です。歯科医院で使用される高濃度フッ素は、9000ppmの高濃度フッ素を含み、市販の歯磨き粉では得られない集中効果があります。3ヶ月に1回の頻度で歯科医院を訪れ、半年の間隔でフッ素塗布を受けることで、家庭でのケアではカバーしきれない部分を補完し、総合的な虫歯予防効果を高めることができます。
まとめ
今回は、フッ素の虫歯予防効果や推奨量、毎日の口腔ケアにおける活用方法などを解説しました。フッ素入りの歯磨き粉やフッ素ジェルは、歯の再石灰化を促すだけでなく、酸に対する抵抗力を高め、虫歯菌の活動を抑える働きも期待できることから、毎日適切な方法で活用するのが望ましいです。